こんにちワールド

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韓国語の敬語を完璧にマスターする7つの勉強ポイント

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 日本語に敬語があるように韓国語にも明確な敬語があります。日本では、敬語の使い方が間違っているだとか、敬語に自信がないだとか、最近の若者は敬語の使い方を知らないだとかという話をよく耳にしますし、皆さん自身もそのように感じたことがあるのではないでしょうか。

 では、韓国の場合はどうでしょうか。これが実は韓国人は見事に敬語を使いこなしているのです。若者もほぼ正しい敬語を使えます。それはなぜかと言いますと、日本語の敬語は複雑で難しく、韓国語の敬語は比較的扱いやすいからです。

 つまり、複雑な日本語の敬語と長年向き合っているあなたにとっては、恐れるに足らない法則なのです。 ここで紹介した勉強ポイントをしっかり覚えて、韓国語でも流暢に敬語を使いこなしましょう!

 

      

 

1 韓国語の敬語について

 

 まず敬語とは、自分を中心にして相手が自分よりも目上であるのか、そうでないのかによって敬語の使用不使用を決定しますが、日本語の場合は、家族や会社などの自分が属している組織も自分と同列にとらえますから、自分の両親のことも相手に話す場合には次のように、「私の父はただいま部屋にはおりません」と敬語を用いないのが正しい言葉遣いとなりますね。

 ところが韓国語ではあくまでも自分個人に視点を置いて敬語を使い分けます。ですから自分の両親や会社の上司も自分よりも目上になりますから、必ず敬語を用いなければならないわけです。

「私のお父様はただいま部屋にはいらっしゃいません」という敬語の使い方が正しい表現となるわけです。日本語が相対敬語であるのに対して韓国語は絶対敬語だと言われます。

 

2 韓国語の敬語はシンプル

 

 敬語には大別して2種類あります。まず語彙自体が敬語形を持つ場合です。日本語だと「食べる」と「召し上がる」の関係と同じですね。それは動詞、名詞、助詞等に存在しますが数はそれほど多くありません。

 もう一つは敬語にすべき単語の語幹に補助語幹시を接続させる方法です。この単語に一文字加える後者が全体の8割を占めますから、非常にシンプルな敬語だということが理解してもらえると思います。

 

3 敬語形のある単語

 

◆動詞: 먹다「食べる」>잡수시다,드시다。자다「寝る」>주무시다。죽다「死ぬ」>돌아가시다。말하다「言う」>말씀하시다。있다「いる」>계시다。없다「いない」>안 계시다。☆계시다, 안 계시다は人物の存在を表す場合にのみ使用される。

 

◆名詞: 밥「飯」>진지. 사람「人」>분. 말「言葉」>말씀. 집「家」>댁. 이름「名前」>성함

 

◆接尾辞: 님 ※韓国語には日本語のように「ご~、お~」などに相当する丁寧さを表す接頭辞はありません。 上記の例文にあった「私のお父様はただいま部屋にはいらっしゃいません」を韓国語では”우리 아버님은 지금 방에 안 게십니다.”となります。

 

4 補助語幹시

 

 3項で示しました敬語形を持たない多くの単語には、その単語の語幹に補助語幹시を接続させて敬語表現を完成させます。 語幹とは辞書の形○○다から語尾다を除いた○○に当たります。その語幹の末尾文字にパッチムがある場合には으시を接続させ、パッチムがない場合には시だけを接続させます。次にいくつかの例を示します。

 

・회사에 갑니까?「会社に行きますか」 →회사에 가십니까?「会社に行かれますか」

 

・신문을 읽습니다.「新聞を読みます」 →신문을 읽으십니다.「新聞を読まれます」

 

・내일도 바쁩니까?「明日も忙しいですか」 →내일도 바쁘십니까?「明日もお忙しいですか」

 

・김 선생님입니다.「金先生です」 →김 선생님이십니다.「金先生です」

 

5 ㄹ語幹+시

 

 語幹の末尾文字にㄹパッチムがある場合。このような語幹をㄹ語幹と呼びますが、これに補助語幹시が接続するとㄹパッチムが脱落するという現象が起きますので注意が必要です。代表的なㄹ語幹である動詞알다「分かる」で説明します。

 알다の語幹末字がㄹパッチムであるため補助語幹시が接続すると、ㄹパッチムが脱落してパッチムのない아となるため、시だけが接続することになります。알다「分かる」→압니까?「分かりますか」→아십니까?「ご存知ですか」というようになります。

 

(例) ・살다「住む」 →삽니다.「住みます」→사십니다.「お住まいです」

・울다「泣く」 →웁니다「泣きます」→우십니다「泣かれます」

 

6 補助語幹시+終止語尾

 

 基本的に敬語を用いる場合は、話される表現自体が丁寧であるため、終止語尾も丁寧な表現である-습니다(-ㅂ니다)や-아요(어요,여요)を用います。もちろん上級の会話では丁寧ではない語尾が接続するような場合もあるのですが、ここは基本的な表現だけにしておきます。

 終止語尾-습니다(-ㅂ니다)の場合にはすべてが-(으)십니다となりますね。갑니다.「行きます」→가십니다.「行かれます」、읽습니다.「読みます」→읽으십니다.「読まれます」。

 それでは、終止語尾-아요(어요,여요)の場合を見てみます。これは尊敬の補助語幹とが合体した形の-(으)세요を用います。特に疑問文や命令文では相手にソフトな感じを与えるため非常によく使われる表現です。

 皆さんも안녕하십니까?と同じ意味で안녕하세요?がよく使われることをご存知ですね。 またこの語尾は他人を優しく促す表現にも使われます。커피 드세요.「コーヒーをどうぞ」、여기 앉으세요.「こちらにお座りください」などの表現です。

 

7 補助語幹시+過去表現

 

 敬語の過去表現は、目の前にいる相手に対してではなく第三者を話題にする場合に必要となる表現です。「課長(様)が電話されました」のような言葉ですね。 韓国語の過去表現は単語の語幹に過去補助語幹-았(었,였)を接続しますね。

 ここでも補助語幹という文法用語を使いましたが、敬語の補助語幹시との関係はどうなるのでしょうか。 実は常に敬語の補助語幹が先行し、その後に過去補助語幹そして終止語尾の順に並べます。

 そこで○○다という単語を敬語の過去にしてみると、順番に単語○○다の語幹○○に敬語の補助語幹시が来て、次に過去補助語幹-았(었,였)を接続しますね。

 さて、ここで過去補助語幹は3種類あるのですが、どのように選択したか覚えていますか?そうです、母音調和の法則でした。では過去補助語幹の直前の母音は、敬語の補助語幹시の이となりますから、これは陰母音です。ですから過去補助語幹は同じく陰母音の었を選べばよいのです。

 しかし、ここで母音の縮約現象が起きます。それは이+어は여と縮約されますから、시+었は셨になってしまいます。ここまでみると複雑なようですが、簡単にまとめると敬語の過去表現は単語の語幹に-(으)셨を接続すればでき上がります。

 

(例) ・읽으십니다.「読まれます」 →읽으셨습니다.「読まれました」

 

・과장님이 전화하십니다.「課長が電話されます」 →과장님이 전화하셨습니다.「課長が電話されました」

 

           

 

まとめ

 

 何かと難しく思われがちな敬語ですが、補助語幹시を克服すれば韓国語の敬語は意外に難しくないことがわかったはずです。いつも使っている日本語の敬語のほうがいかに複雑で難しいかが逆にわかりますよね。 韓国も目上の人に対する礼儀を大切にする文化ですから、ここで紹介したポイントをしっかりマスターして、自然な敬語の言い回しを身につけてくださいね。

 

韓国語の敬語を完璧にマスターする7つの勉強ポイント

 

1 韓国語の敬語について

 

2 韓国語の敬語はシンプル

 

3 敬語形のある単語

 

4 補助語幹시

 

5 ㄹ語幹+시

 

6 補助語幹시+終止語尾

 

7 補助語幹시+過去表現